困りごとと解決方法の詳細
保育園で「ハサミがうまく使えません」と言われた。
言われる前までは、今手先がうまく使えていなくても、そのうちできるようになると思っていたので、のんびりしすぎていた…と考え直し、本人が嫌がらずに少しずつ改善できるように色々試した。
ハサミを使う他に、折り紙、ブロック、ジグソーパズル等々。
その中で一番興味を持ったのがプラモデル作りでした。
最初はパーツが大きい簡単なものから、大部分補助して進めていき、うまくいかない事もたくさんあったが、出来上がった時の達成感と自分が作ったプラモデルで遊べるのがとても嬉しかった様子。
時間が掛かっても飽きたり嫌になったりせずに何度も挑戦した。
小学生の頃には、少ない補助で段々と細かいものを作れるようになり、今では、とても手先が器用。
何が本や人に合っているか試してみるのは時間が掛かるが、好きな事の応用で出来る事が増えたので、子どもに合うものを見つけられて良かった。
専門家からのアドバイス
困りごと、なぜ?どうして?どうしたらいいの?
具体的にどんなことをしている?おススメ・役立ち情報は?
人の体の発達は、体の中心から外側へ進んでいきます。経験による差も大きく、小さいうちは手先の不器用さがみられることも多いです。手先の練習だけでなく、公園遊具(滑り台やブランコ、複合遊具等)で体全体を使った活動がおススメです。また、様々な道具操作では、5本の指をバラバラに動かすことも必要になってきます。手遊び歌(この指パパ等)や、数を指を折って数えることなどが、5本の指をバラバラに動かすことに繋がっていきます。
微細運動の多くも、粗大運動と同様に年齢が上がってくると複雑な動きが求められます。例えば『ハサミ』では、ハサミをもつ利き手側の3本の指がうまく使いこなせ、更に反対側の指では紙を持ちながらハサミに合わせて紙を動かす、という左右で違う動作を求められるため粗大運動よりも高度な動作も多いです。このほか、『書字』『箸』『鍵盤ハーモニカ』『リコーダー』『コンパス』など、主に操作する利き手側と動かないように支える等、反対側で役割が異なる動作も多いですが、獲得の経過として、最初は手元を見ながら(目と手の協調運動)取り組み、慣れてくると筋肉のセンサーで力加減を調整できるようになり、見なくても操作できるようになっていきます。このように書くと、できるだけ細かい動作の練習をしよう!と思うかもしれませんが、その前に粗大運動(特に体のバランスをとる、左右の手で体を支える動作:例えばサーキットやブランコ)がある程度身についていることが大切です。身体の発達は、中心部から抹消部に進んでいきます。微細動作は前腕や指を使うことが多いですが、それをコントロールする肩や上腕、更に体の中心にある体幹の発達が細かい動作を行う上で欠かせない存在となります。微細動作がうまくいかない場合、焦らず、まずは粗大な運動から始めてみてもよいかもしれません。必要に応じて先生方や専門家(作業療法士等)に相談してみましょう。子どもの『興味・関心』、状態に合わせた細かい動作の提供に繋がっていくと良いですね。