国際医療福祉リハビリテーションセンターなす療育園について
国際医療福祉リハビリテーションセンターは、国際医療福祉大学大田原キャンパス内に心身にハンディキャップをもつ方々が安心して生活できるための支援を行う施設として、平成12年4月に開設されました。本施設は「なす療育園」「サポートハウス那須」の2つの施設からなる複合施設です。
なす療育園
平成12年4月に栃木県で4番目の重症心身障害児施設(民間では2番目)として開設され、平成24年4月から障害者自立支援法の事業へ移行し、医療型障害児入所施設・療養介護施設となりました。「なす療育園」は「入所機能」と「外来機能」を有しており、栃木県の北部大田原市内にあり、那須連山や八溝山地にも近く、自然環境に恵まれています。「なす療育園」開設前まで、県北地区に住む多くの障害児者は宇都宮や県外まで通院していた歴史があります。
特長の一つ目は国際医療福祉大学の構内にあり、大学の実習関連施設になっていることです。そのため、常時さまざまな学科の学生実習が行われ、また学生が授業の合間にボランティアに来て常に入所児・者へ、職員へ新しい刺激を与えてくれています。また医療福祉の総合大学であることを生かし、大学の先生方と協力して療育指導や研究活動が活発に行われています。
特長の二つ目は入所部門において、50名の入所者の居室と職員が2つのグループに分かれ、居室は1~4人部屋で、可能なかぎり個人のプライバシーが守られるグループホームの構造になっていることです。入所者の皆様になるべく家庭に近いふつうの生活をお送りいただけるように工夫されています。
特長の三つ目は、医療型障害児入所施設の「外来機能」を生かし、地域市町村の保健、福祉、教育機関と密接な連携をとり、地域の療育の中心機関となっていることです。本システムは「なす療育園」をご利用の皆様への状況提供が大きな目的で構築されました。現在は、なす療育園に留まらず、県内の療育施設、保健センター、発達支援センター等、地域で生活されているご家族で、子どもの発達が凸凹していることで、子育てにおいて“困っている”ご家族または、支援する際に“困っている”支援スタッフへの活用をもう一つの目的として、地域でも活用の広がりを検討しています。決して『なす療育園』を活用いただくために作成されたシステムでは皆様は、なす療育園の「外来機能」を通して本システム(現在研究段階)と繋がった方々となります。
このような特長のもと、国際医療福祉大学の設立理念である「共に生きる社会の実現を目指して」、職員が日々努力をしています。
外来診療・外来リハビリテーション
診療科目 | 小児科、小児神経科、整形外科、小児外科、歯科、リハビリテーション科 |
外来リハビリ テーション | 理学療法、作業療法、言語聴覚療法、心理療法 |
診療対象疾患 | 脳性麻痺、精神運動発達遅滞、知的障害、摂食嚥下機能障害、その重複の場合、 および重症心身障害など 発達障害(自閉症、注意欠陥多動性障害、発達性協調運動障害など)およびその疑い 不登校、引きこもりなど 内反足、扁平足、脊柱側弯など 身体障害疾患全般(リハビリテーション科) |
外来リハビリテーションの内容
理学療法
理学療法士はPhysical Therapist(PT)とも呼ばれます。ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援するリハビリテーションの専門職です。
理学療法とは運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。
【なす療育園で行われている支援例】
- 基本的な運動の練習(寝返り・座る・歩く・走るなど)
- 運動の機会の提供
- 車いす(座位保持装置)や靴の作製
- 手術後の集中的な運動の支援
もっと理学療法について知りたい方⇒公益社団法人日本理学療法士協会 (japanpt.or.jp)
作業療法
作業療法士はOccupational Therapist(OT)とも呼ばれます。ケガや病気などで身体又は精神に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を目的に、その人らしい日常生活が送れるよう支援するリハビリテーションの専門職です。
作業療法とは、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助です。
作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為(食事、更衣、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養…普段の生活に関連する全ての行為)を指します。
【なす療育園で行われている支援例】
- 巧緻運動機能の向上
肩や肘を含めた、手の機能(つかむ、つまむ、はなす)の発達を促し、日常生活に必要な巧緻運動、両手動作、目と手の協調性の獲得に向けて治療を行います。
- 日常生活活動能力の向上
書字動作などの学校生活に必要な学習活動も含めた、食事、更衣、排泄、入浴などの日常生活活動能力の獲得に向けて治療を行います。
- 学習基礎能力の向上
学習にとって必要な方向、形、数、色、大きさなどの概念の発達を促します。
- 心理・社会性の向上
種々の遊びやゲーム、グループ活動などを通して情緒の安定、自己統制力の向上や対人関係、役割遂行の発達を促します。 - 家庭生活や保育・教育機関等で役立つ情報の提案
子どもの発達に関わる母親、家族、学校関係者などに、子どもを上手に支えていく方法(便利グッズ・お勧め玩具・遊び提案、情報提供など)をお伝えします。
もっと作業療法について知りたい方⇒日本作業療法士協会 (jaot.or.jp)
言語聴覚療法
言語聴覚士はSpeech-Language-Hearing Therapist(ST)とも呼ばれます。音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある人についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うリハビリテーション専門職です。
言語聴覚療法は、言語や聴覚、音声、呼吸、認知、発達、摂食・嚥下に関わる障害に対して、その発現メカニズムを明らかにし、検査と評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、支援などを行います。
【なす療育園における支援例】
- 知能検査、言語検査、発声発語器官検査、摂食嚥下評価
- 発達障害児に対する言語・コミュニケーション指導
- 学習障害に対する学習指導
- 構音障害に対する構音指導
- 摂食・嚥下機能障害に対する口腔機能改善・食事指導
- 環境調整、保育園、幼稚園、学校、関係機関との連携
もっと言語聴覚療法について知りたい方⇒一般社団法人 日本言語聴覚士協会 (japanslht.or.jp)
- 〒324-0011 栃木県大田原市北金丸2600-7
- JR「那須塩原駅」東口から国際医療福祉大学スクールバスで約20分(無料。どなたでもご利用いただけますが、時間帯によっては大変混み合う場合もあります。詳しくはこちら。)または大田原市営バス「国際医療福祉大学」行きで約20分(有料。大田原市営バス時刻表)
- 診療時間:平日9:00~17:00 / 土日祝定休