困りごとと解決方法の詳細
中学校では持久走大会があり、体格が大きく体力もあるのに持久走がとても苦手だった。
練習が嫌いなので、軽いシューズに変えたり、なんとかモチベーションを持続させて毎回ギリギリの時間でも完走することだけを目標にした。
高望みせずに、最後までやり遂げれば〇なんだ、と親子で話合った。
専門家からのアドバイス
困りごと、なぜ?どうして?どうしたらいいの?
具体的にどんなことをしている?おススメ・役立ち情報は?
ステップを踏みながら、例えば、作業療法場面では、まずは両足ジャンプができるか、それができたら繰り返し両足ジャンプができるか、等、手と足がそれぞれ上手くできるかを確認しながら子どもが自信を無くさないように、スモールステップでチャレンジするように設定します。手の動作では、縄跳びを半分に切り、片手で縄を回せるか(多くのお子さんは最初、後ろ回しになりがちですが)等を確認してチャレンジしていきます。手足それぞれが上手く使えるようになったら、合わせ技に進んでいきます。
一方、『褒める』ことは日々の子育ての中では簡単なことではないかもしれません。『こんなことで褒めていいの?』と作業療法場面を通して気づかれた方もいるのではないでしょうか。『遊び』を通して感覚機能を十分に使ってもらうために、子どもの『もっとやりたい!」という頑張る原動力を引き出す手段が『褒める』です。誰でも『叱られる』より『褒められる』方が気持ちがいいですよね。他の子どもにとって当たり前にできることも、目の前にいる子どもは我々の想像以上に頑張っていることも多いです。大人や支援者は是非『褒め上手』になってみましょう!
運動が不器用なお子さんは運動自体に嫌悪感を持つこともあります。まずは楽しんで運動することを通して、自信を持つことも大切です。できる/できないの結果のみでなく、経過に着目して褒めることも良いかと思います。
粗大運動の多くは、年齢があがってくると複雑な動きが求められます。例えば『縄跳び』では、まっすぐに体のバランスを取りながらジャンプし、手足別々の動き(手は縄をリズムよく回す、足はタイミングよくジャンプする)という、とても高度な動作を行うからです。このほか、『自転車』もバランスや手足別々の動きが求められます。『縄跳び』『走る』『自転車』『ボール遊び(球技)』『体操・ダンス』など、バランスをとることと手足それぞれを使い分けるには、自分の体がイメージできるようになってくる(ボディイメージ)と動作が変ってくることがあります。これらは人の体に備わっている各種感覚センサー(見る、聞く、触る、バランスをとるなどなど…)が関係しており、子どもは『遊び』を通して、少しずつ感覚をうまく使いこなせるようになっていきます。10歳くらいには多くの子どもは大人と同じように体を使えるようになっていき、『感覚統合』と言います。その経過で思い通りに体が動かせず、自信がもてない子どもにとって、『褒める』ことは『頑張るエネルギー』になります。