困りごとと解決方法の詳細
絵を描くことができず、本人も想像して描くことが難しいと教えてくれたため、模写を提案。それならできそうと描いてくれたものをたくさん褒める事を続けていくうちに、授業でも抵抗感が減ってきて課題を取り組むことができた。
専門家からのアドバイス
困りごと、なぜ?どうして?どうしたらいいの?
具体的にどんなことをしている?おススメ・役立ち情報は?

今回のお子さんに対するご家族の対応、難易度調整が素晴らしいと思います。理由を本人と共有できているのもとても良いと思います。 今回のお子さんは、「想像して描くこと」が難しいと伝えてくれたため、負担の少ない模写を提案しまていましたね。模写は視覚的な手がかりがはっきりしているため、人物の輪郭や風景の形を自分で想像して補う必要がなく、安心して取り組みやすい方法です。できた作品を繰り返し褒めることで、「描けた」という成功体験が積み重なり、授業での抵抗感も少しずつ減っていき、とても理想的な対応です。 お子さんがつまずきやすい部分を理解し、負担を下げた方法から成功体験を積み上げることが、意欲や自信につながります。 その他、子どもの描けない理由が分からない場合は、本人のお気に入りのクレヨンや色鉛筆などを使ってみて描く意欲を保つことも一つの方法です。また、ある程度何を描くかが分かるぬりえやシール貼り、絵しりとりで段階付けながら、楽しみながら続けてみることも試してみて良い方法となります。


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絵を描くことが難しいお子さんには、苦手さの理由がいくつかあります。今回のお子さんでは「想像」が難しいと話してくれて理由が分かり良かったですね。人物画(人の絵を描いてみよう)では、ボディイメージとの関係が報告されていますが、自分の身体を正確に捉える感覚情報が十分に発達していないと、それを思い出したり、形にすることが難しいと言われています。一般的に、3歳代で顔が描けたり、そこに手が出たり、少しずつボディイメージが発達すると絵も人間らしくなってくると言われています。また、「顔のパーツの位置関係がつかみにくい」「手足の長さや角度がうまく想像できない」など、細かい形の組み立てが難しいこともあります。人の表情や動きを頭の中でイメージすることが苦手な場合、描き始める前に戸惑ってしまい、手が止まってしまうこともあります。一方で、風景画では「奥行きや遠近感のとらえ方が難しい」「建物や木の形が複雑に感じられる」など、広い空間をまとめて理解することが負担となりやすいです。目で見ている情報が多すぎて整理しきれず、「どこから描けばいいのかわからない」という状態になってしまうことも少なくありません。